骨盤の歪み
「骨盤の歪み」
これは整体院や接骨院でよく言われる言葉。
かく言う僕も、この業界に入った当初は、そこに着目していたが、解剖学や運動学を学んで行く上で、骨盤の歪みと言う視点ではなく、股関節との位置関係の問題だと気づくに至った。
股関節と骨盤との位置関係が崩れると、そのデザインは狂い、結果として脊柱に大きな歪(代償)を生む事になる。
腰痛者の多くが、股関節の左右のアンバランスが存在し、結果としてその動きは骨盤の位置異常を起こさせ(運動学的な負担)、脊柱がそれを代償する事となり、ヘルニア・すべり症等になって行く。
脊柱管狭窄症はそれらの延長線上にあり、これらを無視し続けた結果により(加えて、血液性の問題も加わるのではないかと考える)変性が起こり発症するのだと考える。
股関節の問題は、股関節に起因するのではなく、足趾に始まり、足底、足首・・・これらの問題が複合的に絡む事で、必然的に捻りや筋肉の問題(優位性による牽引や疲労の蓄積、拘縮、固縮、スパズムなど)により引き起こされる。
変形性の場合、先天性の問題は別として、後天的な問題はこうした問題に気づかず日々生活した結果、引き起る。
故に、当院では真っ先にソコを指摘し、トレーニングさせる。
骨盤は必ず歪む。
それは寛骨と仙骨のアンバランスと言う意味ではない。
左右の寛骨が互い違いに捻じれると言う意味ではない。
正常位があるとして、その正常のデザインから逸脱した状態、つまり、股関節を軸とした際の傾きであったり前後への捻じれを意味する。
なのでそれは決して骨盤自体が捻じれている訳ではなく、左右の股関節を軸として骨盤が捻じれていると言う意味を指す。
左右の手を前に出し、両手の間にスマホを横にして持ち(手の平の中をスマホが滑らない様にしっかりと固定して持ち)、右の手首を手前に捻り、左の手首を前方に捻る動きをすると、スマホの画面は左方向を向く(スマホを手のひらの中で、滑らせない事)。
要は、これを「骨盤が捻じれている」と言っている訳だ。
我々には、効き足・軸足が存在し、基本、右が効き足・左が軸足となりやすいので、骨盤(股関節)も必然的に上記の手首理論と同じデザインになる(これが逆になる人は、基本のルールから逸脱しているので、問題(症状)が大きくなる)。
この手首理論(スマホ画面が左を向く)で話を進めると、スマホ画面が左を向くと、その上にある空間(人体で言うと上半身に当たる部分)も左を向く事になる。
が、そこは人体、調整が効き、背骨によって右方向に捻じれが起こり、上半身は正面を向く様にする。
ここで、腰椎・仙骨(腰仙関節)に捻りのストレスが発生するので、この部分でヘルニアやすべり症は発症しやすいと言う事になる。
更に話を進めると、この捻じれのストレスが大きくなると、基本、腰椎は捻れないので、腰椎・胸椎(胸腰移行部)にストレスが入る(胸椎は捻る事を得意としているので)。
故に、腰椎下部に捻りがあると、必然的にその調整は胸腰移行部に入っており、ダブルアーチを形成している事は多く、ここのサブラクセーションはここ部分に痛みが起こると言うより、仙腸関節部に入る事は多い。
更にその胸腰移行部のストレスは上に上がり、胸椎中央部で再度アーチ(側屈)を描き、更に頸部の歪みを起こさせ、遂には頸部と頭部との関節部に及ぶ(慢性頭痛の原因)。
この様に、骨盤の位置異常は全身に及び、これはあくまで骨格・筋の問題だけをピックアップしたが、頸部・頭部との関節部には自律神経が存在するので、自律神経系を狂わせ、それは内臓に関係を与える。
また、自律神経の出口には、延髄等の生命維持機構が存在するので、ここに与えるストレスは、無意識のうちに精神に影響を与え、精神的な問題へと波及もする。
話は戻り、これはただ骨盤の位置異常が様々な問題を起こすと言う話ではなく、根本原因は趾・足底・足首だと言う事を言いたいのである。
