腱損傷
腱とは、筋肉が骨に引っ付く移行部の事。
要は、筋膜の中の筋線維が無くなった所。
腱は骨の中に入り込むようにくっ付いているため、骨から腱を引き剥がそうとすると骨の方が壊れる。
腱には血管は少なく(故に、白い)、神経は多い(脚気を調べるテスト=膝を叩くと膝が伸びるアレの様に、神経は筋肉の伸び縮みを知る為のセンサーとしてある)。
似た組織に、靭帯があるが、靭帯は靭帯の線維のみで構成され、関節の安定の為に存在している(血管・神経共に少ない=切れると治癒が難しい)。
指を動かす筋肉は、前腕に筋線維が存在し、手首手前で腱に移行し、指先までは腱となる。
筋線維に強い収縮が掛かると逆にそれを緩めようと働く(腱紡錘=鉄棒にぶら下がると握力が無くなり落ちるアレ)。
腱には補助装置があり、例えば、腱鞘と呼ばれるトンネルがあり腱がズレない様にしている。
また肩関節などには滑液包と呼ばれるクッションが腱が肩関節の骨に擦れない様にしている。
膝関節のお皿(膝蓋骨)は大きな種子骨で、お皿が膝を曲げる動作時、太ももの骨に腱が擦れない様に存在している。
上記の様に、腱は関節部分にあり、曲がる部分(肩関節・手首・手指・膝関節・足首など)がソレなので、擦れる。
擦れが続くと疲労損傷を起こす場合がある(腱板断裂・腱鞘炎など)。
足首を挫いて腱を損傷する事は多い。
また、腱脱臼も存在する(腓骨腱脱臼など)。
病的な要因で断裂する場合もある(関節リュウマチなど)。
腱損傷は、先に上げた様に血液が少ないので治癒には時間がかかる。
神経は通っているのでズキズキ疼く・・・
損傷時の治癒は、大体3週間から6週間、長いもので12週とされる。
完全断裂の場合、完全に治るまでには約3年を要する。
アキレス腱は、パラテノンと呼ばれるトンネル状の組織の中にある為、血液がそこから供給されるので治りやすいとされる。