ファシア
ファシア=膜
人体において膜とは組織を包む所謂、袋であり、緩衝材であり、摩擦軽減システムである。
この膜は身体全部に存在している。
故に、一つの引っかかりは、全身に影響が及ぶ。
赤ちゃんなどはその引っかかりは病的要因以外はほぼ無い。
引っかかりは、成長と共に癖や習慣、継続などの蓄積によって起こり始める。
一つに引っかかりが起こると代償が起こり、その代償が代償を生み、結果、全身に及ぶ。
我々がよく耳にする「筋膜リリース」
これは筋肉に起こるモノであるが、当然、全身に及ぶ訳だから内臓や血液循環、神経にも影響は及ぶ。
筋肉起こった問題は、内部にも影響が出ると言う事。
分かりやすく言うと、猫背の状態で考えると、胸筋は縮み、背筋は伸ばされる。
筋膜は前方は短縮し、背面は伸長され続けた状態で張り付く。
猫背を矯正する為に姿勢を正しても直ぐに猫背になるのは筋膜がその形状のタメ。
丸くなった姿勢は肺を圧迫する。
横隔膜の動きが鈍る。
横隔膜の動きが鈍ると、内臓の蠕動運動が鈍くなる。
内臓の動きが鈍くなると、幸福ホルモンなどが作られにくくなり、思考がネガティブ寄りになる。
腸の活動は鈍り、食べた物が分解・消化出来にくくなる。
内臓内に分解・消化されにくいモノがずっと停滞する事になり、次第にそれは腐敗する。
腐敗した物が長期間そこにあるとそこに面した内臓の内側は病原菌の温床となる。
病気の発生・・・
たかが猫背であっても、それが数年、数十年と続くと、ある日「なんで、私が?!」と言う病気を発症させる。
当然、内臓由来の膜癒着が原因で外側に問題が起こる場合もある。
そっと手を触れ、身体を押すと、押した影響が離れた部位にまで影響を及ぼしている事が観察出来る。
それは自分でやっても分かる筈(自分で自分の身体を感じてみると、押される影響が広がって行く感覚を知れる)
膜の繋がりを辿って行くと、緩む方向・締まる方向があるのを知れる。
これが活法であり、時に殺法となる。
決して関節技ではない。
優しく触れているだけでその繋がりは知れる。
意外にもそっと触れている方が膜は緩むもので、気持ちが良い。
多くの人が強い刺激を求めるが、強い刺激は膜の弛緩より神経の興奮が抑えられるので一時的には楽になった様に錯覚する。
まぁどちらもアリだとは思うが。
個人的には、心地良い刺激は脳が弛緩し、リラックス出来るので、それが良いとは思う。