頭蓋骨
頭蓋骨は、23個のパーツからなり、脳頭蓋8個と顔面頭蓋15個から構成される。
頭蓋の骨で関節を形成しているのは唯一『顎関節』のみ。
その他の骨の連結部分は『縫合』と呼ばれる。
代表的な縫合は脳頭蓋にあり、頭頂部に前後を通る”矢状縫合”、横に通る”冠状縫合、耳の上を通る”鱗状縫合”、後頭部にある”ラムダ縫合”がある。
当然、顔面頭蓋にも縫合はあるが、教科書的にはよほどの専門書(医者)にならない限り学ばない。
しかし、蝶前頭縫合・蝶鱗縫合・後頭乳突縫合・蝶形後頭底結合(縫合と言う名称ではない)などは臨床的に重要な部分となる。
特に蝶形後頭底結合は、トルコ鞍(下垂体=ホルモン分泌の大親分)や脳幹(中脳・橋・延髄)がすぐ近くに有るのでここのフィクセーションはホルモン系・生命維持系に強く影響を及ぼす。故に、動きやすくしておく必要がある。
蝶形後頭結合は、後頭下筋群(頭位の保持)や眼球運動により緊張を起こされると固まる。
固まる事で動きは不正となりやすい。
つまり、脳脊髄液の循環を不正とさせてしまう。
頭蓋の縫合が詰まっていれば脳は圧迫されているので痛みに対して敏感になっている。
また、縫合が緩ければ頭皮が浮腫む。すると、頭痛やイライラ・不安感が症状として出ている事が多い。
頭痛を訴える方の多くは側頭骨が硬くなっており(側頭筋・咬筋・胸鎖乳突筋などの影響)、故に耳が硬くなっている。
頭蓋だけを緩めても脳脊髄液の循環は促進されないが、脳の圧迫が解除されれば脳のリラクゼーションは図れると考える。