頭蓋調整
頭蓋調整とヘッドマッサージ。
同じモノではありません。
ヘッドマッサージは美容院などの頭(頭皮)に対するマッサージであり、頭蓋調整は皮膚へのアプローチではなく骨へのアプローチとなります。
骨へのアプローチならグイグイ押したり、『パキっ』と矯正する事をイメージされる方も居られますが全くそんな事はありません。
どちらかと言うとヘッドマッサージよりも弱い力かも知れません。
そもそも頭蓋骨を調整して何をしているのか?ですが、美容整形している訳ではなく、骨のリズムを取り戻しています。
👆の動画の様に激しくはないですが、頭蓋骨はこのように膨らんだり萎んだりしています。
それは👇の様に脳から脳脊髄液と言う液が作られ、それが排出される過程で頭蓋骨を押し広げます。
そうして頭蓋骨が膨らんだり萎んだりする事で循環(ポンプ)が起こり、その波は背骨を伝い骨盤(仙骨)まで及びます。
こうして脳脊髄液は、脳内と脊柱内を循環しています。
そのポンプのリズムを整えるのが頭蓋調整(クラニオセイクラム・頭蓋仙骨療法)なのです。
リズムは一般人が分かるモノではありません。
人を触りなれている筈の治療家でさえ、『これがポンプのリズムか?!』とそう簡単には知りえません。
頭蓋調整(クラニオセイクラム)では、先ず、循環を診ます。
それを分かりやすく例えると、水道の排水口に手を触れて、水を止めた状態と流れている時に伝わる感覚です。
止まっている時はただの冷たい金属ですが、ひとたび水を流すと冷たい金属の奥で流れを感じます。あれを先ず感じます。
そうして今度はリズム。
動画はかなり早いですが、6~12回/分とされるリズムです。
膨らんだり萎んだりの動きは慣れてくると直ぐに分かりますが、おそらくそう簡単にその感覚は掴めないでしょう。
そうして今度は動きの悪い頭蓋骨(23個のパーツで出来ています)をゆったりとした圧で動かして行きます。
ゆったりとした圧と言うのがヘッドマッサージとは違う所。
クライアントはただ触れられている様にしか感じないでしょう。
動きが悪いのは、姿勢の崩れや噛み癖、思考の偏り、感覚・運動の偏り、利き耳・利き目などによって引き起こされます。
特に後頭骨の動きが制限されると、脳脊髄液は下に下がって行けず脳内に溜り、脳を圧迫し始めます(あからさまな圧迫ではない=脳に致命的な障害を起こすほどのものではない)
すると脳の電気信号不良が起こるので、正しく身体を動かせなくなったり、感受し難くなります。
特に後頭骨のある所には脳幹(中脳・橋・延髄)があり、ここが圧迫障害されると呼吸が乱れやすくなり、血液循環不良が起こるので、身体的・心因的に不調が起こるでしょう。
また、自律神経中枢(視床下部)は蝶形骨(トルコ鞍)にあり、この蝶形骨と後頭骨の連結部位(蝶形後頭底結合)は後頭骨の動き制限により動かなくなると蝶形骨を介して影響を与えます。
この結合部位が緩んでいる事でゆりかごの様に揺られ視床下部へのストレスが減り、活動が行えます。
顎上がり、ストレートネックがあると後頭骨は前上方へ変異するのでこの結合部位を固めてしまいますので、一番開放が必要です。
眼球の動きは環椎後頭関節部位の筋肉(後頭下筋群)の影響を受けており、目の使い過ぎ、モノの凝視などが続くと詰り、後頭骨の動きを制限させます。
首コリ・肩こりの関与する筋肉は後頭骨に付着している為、こうして自律神経に大きく影響を与えます。
頭皮マッサージはリラクゼーションを目的としています。
頭蓋調整は脳脊髄液の循環促進を目的としています。
何を望むかによって施術も異なります。