脳脊髄液の循環
脳脊髄液は、脳室の脈絡叢で産生される。
第4脳室の正中口と外側口からクモ膜下腔へと流入し、脊髄を周り、頭頂部にあるクモ膜顆粒を介して硬膜静脈洞で吸収される。
(脊髄が存在しているのは第一腰椎下縁の高さまでで、それ以下は馬尾と呼ばれる神経線維の束となっている)
《余談》第一腰椎部には終糸と呼ばれる脊髄を安定させる糸が第二腰椎辺りに付着している。この糸にテンションがかかる状態は脊髄を常にビンビンな状態にさせる為、末梢神経から来る刺激に過敏に反応(反射)を起こすようになる事で、痛みに敏感となる。
脳脊髄液の循環は、分泌された際の圧によりその動きは起こる(その勢いはビュー!と飛び出るくらいの勢いだと言う)。
しかし、心臓と同じく勢いだけでは循環が出来ない為、背骨の動きによって循環を起こす。
背骨の動きは呼吸による肺の動きでも助長されるが、母親のお腹の中に居た時から動きを起こしており、その時からの動きの事を第一次呼吸システムと呼ぶ。
その第一次呼吸システムとは頭蓋骨後頭骨と骨盤仙骨とが主導により起こる。
頭蓋骨に存在する関節は、顎関節のみであり、その他は可動関節は無い。
あるのは縫合と呼ばれる骨の継ぎ目であり、それらは不動とされる。
しかし、例えば、水道管を触った際、水が流れている時と流れていない時とで水道管の中に流れを感じたり水の勢いが強くなれば水道管がグン!と伸びる感じが掛かり、水を止めるとその動きが止まる感じが来るのと同じように、縫合部分でもそれを感知する事が出来る(この触知が難しいので頭蓋仙骨療法がマスター出来ない理由)ので、視覚的動きは無いにせよ膨らんだり萎んだり、水圧を感じる事が出来る。
我々療法家が確認しているのはこの流れであり、そのリズムである。
リズムが乱れていると言う事は何かしらの循環不全(心不全と同じ)が起こっている事を意味するし、流れが弱い場合も何かしら問題が身体で起こっている事が推測される。
ある程度の強さの流れとリズムは取り戻したい。
クラニオセイクラムで触っているだけの様に感じられると思われるが、リズムと水圧をチェックし、それらが整ってくるのを待っているので必然的に手技はそうなる。
ヘッドマッサージと異なるのは、筋膜(腱膜)を緩めたり頭皮を動かしたりしている訳ではないと言う事。
対象はあくまでも脳脊髄液であり、その人が持つ生体リズム。
これらが機能し始めると言う事は、本来の治癒力が発揮され始める事を意味し、36兆個の細胞にしっかりと信号が行き届き、逆に脳は情報をしっかりと受信出来る。
治癒力が発揮されると言う事は、そう言う状態にある時。
故に治しているのは僕ではなく、あなたの身体。
その為のお手伝いをしています。