整体師の独立
瀬谷崎将也氏のXからのコピペ。
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【僕が開業を勧めない理由】
よく雇われている先生方から
「会社が売上売上うるさい」
「売上のためだけに働いているわけじゃない」
「もっと患者のためになることがしたい」 みたいな声を聞きます。
おそらく、例えば毎日ポスティングばかりやらされて嫌になっていたり、数字ばかり見せられて患者のリピート率を上げるよう厳しく言われたり、単価を上げるよう指示されたり、まあ色々あるんでしょう。
嫌ですよね。
ただ僕はこういう話を聞くとどうしても「甘えてるんだなあ…」と思ってしまいます。
さらに、こういう不満が積み重なって開業なんてしようもんなら目も当てられません。
ちなみに、僕は基本的には開業賛成派なのですが、相談を受けて「多くの場合」、反対します。
ここからはかなり厳しい話になりますが、少しでも開業を考えている先生はぜひ読み進めてください。
さて、まず多くの人が開業して直面する課題は、集客です。
間違いなくこの壁にぶち当たります。
雇われていたときは毎日かかってきたかもしれない新規の問い合わせ電話は、ほぼ鳴りません。
あなたが雇われ時代に「このくらいのHPなら誰でも作れる」と思っていた前職のHPは、あなたが見ても分からないSEO対策がしっかりとされており、あなたや友人が作ったHPとは比べ物にならないレベルだったからです。
何もしないわけにいかないので(何もしない人もいるが)、自分でチラシを作って配ろうとします。
前職で撒いていたチラシと似たようなチラシを作って撒きますが、反応は全くありません。
あなたにはコピーライティングの知識がないので、真似すべき部分を真似できておらず、出してはいけないオリジナリティ満載のチラシだからです。
反応がなければ、今度は量を撒くしかありません。
雇われていた頃は勤務時間内でポスティングができていましたが、ここまで大量に撒こうとすると今はそれだけでは終わりません。
店舗の営業時間が終わってから、夜中まで毎日撒き続けます。
あなたは回数券を売るのが嫌だったとします。
セールストークが嫌だったり「回数券の切れ目で来なくなる」などの経験もあり、一生懸命やれば普通に都度払いでちゃんと通ってもらえるんじゃないかと思っていました。
なんなら「回数券なんてただの金儲けのシステム」だと考えています。
しかし現実は甘くなく、2回目のリピート率は6割を切り、8割以上の患者は5回目以降来てくれていません。
回数券であれば(前払いなので)現金は安定しますが、都度払いなので現金の安定感もありません。
現金さえあれば赤字でも経営は続けられますが、現金がなければ黒字でも潰れることをあなたはここで始めて知ります。
そうこうしているうちに借入れた公庫への返済が始まり、毎月約7万円の返済を開始したとします。
ただでさえカツカツで運営していただけに、月々7万円の返済はかなりの痛手です。
雇われていればいくら売上が少なくても毎月決まった給料が入りますが、開業しているとそうはいきません。
売上自体は雇われているときとほぼ変わらないのに、手残りは今までよりも少なく、さらにここから国保を払うことを考えると胃が痛くなります。
今までは会社が半分負担してくれていましたが、今はもうそれがありませんから。
仕方なくあなたは回数券の販売をすることになります。
前職でみっちり鍛えられただけあり、オペレーションはスムーズでそれなりに結果は出ます。
気付けばそれが嫌で辞めたはずの前職と全く同じオペレーションになってしまいました。
今日は急性腰痛の患者が来ました。
前職であれば「このくらいの急性腰痛は放っけば良くなるし、継続通院してもらう必要はないな」と、会社の指示に逆らいながらでも押し通したかもしれませんが、今月末の支払いがカツカツです。
結婚記念日なので奥さんに何かプレゼントも用意しないといけません。
このままだと月末の支払いに対し現金が足りなくなる可能性があります。
そこであなたは目の前の急性腰痛患者に対して「(んー…まあでも、この人は何回かぎっくり腰繰り返してるし、ウチに通って再発リスク抑えられればそれもいいか)」と思い、継続通院を促します。
開業したら自由に意思決定できると思っていたのに、雇われていた頃よりも「お金」のストレスや責任感が重くのしかかり、「売上基準」での意思決定に縛られていることに気付きます。
より安定して売上を上げていけるよう、効率的な新規集客を考えSEO対策やリスティング広告を始めようとしますが、最初にぐっちゃぐちゃに作ったHPはSEO対策もクソもなく、もはや最初から作り直した方が早いレベルだと知ります。
しかもそれには100万以上かかるようです。
であれば今のままリスティングをかけようと思いますが、あなたは業者の選び方を知りません。
よく分からんリスティング運用会社に毎月5万円預けるものの、来院に繋がらない謎の公式LINE登録者だけが増え、CVはしているので業者への支払いは無駄に増えていきます。
結局お金がかかるので、やっぱりチラシ撒くしかないなと、ポスティングをやめることができません。
毎日遅くまでチラシを撒いて、チラシの作り方を勉強して、ホットペッパーをいじくり回して、施術して、お金の計算をして、これで毎日が回っていきます。
もちろん、臨床の勉強をする時間は大幅に少なくなっています。
ほぼ皆無かもしれません。 雇われていたときは確保できていた勉強時間も確保できなくなっていました。
毎日、少なからず患者は来ます。
もちろんその中には、病態が分からず結果が出せなかった患者もいます。
でも、今のあなたには勉強する時間がありません。
お金を稼ぐことに必死だからです。
お金を稼がないと生活が苦しくなるからです。
いかがでしょうか。
あなたが開業したら手に入ると思っていたものは手に入れられそうですか?
開業したらやりたくないと思っていたことを結局やるはめになっていませんか?
あなたがやりたかったことは、こういうことですか?
これ、なんか患者に得ありますか?
これはあくまで僕の想像上の一例ですが、近しい状態に陥る先生は少なくないと思います。
結局、雇われていた頃と同じことをやるんです。
数字しか頭にないと思っていた当時の上司と同じことをやり始めるんです。
雇われているほうがよっぽど自由にできることはたくさんあるんです。
こういう厳しい道である可能性を分かったうえで、あなたはなぜ開業しないといけないんでしょうか。
あなたが開業する目的は?
意味は?
患者にとってどんなメリットが?
この質問に堂々とスパスパ回答でき、事前にあらゆる対策を済ませている先生は、きっと成功します。
ちょっとでも自信がなく答えられなかったり、この投稿を読んで少しでもビビっちゃった人は、マジで考え直した方がいいです。
自分も家族も患者も、幸せになる人が一人も生まれません。
また、この投稿は開業そのものを否定しているわけではないことにも注意が必要です。
こんな話しておいてなんですが、僕は開業そのものは賛成派ですから。
夜中までポスティングすることも大事ですし、お金に真剣に向き合うことも大切ですし、なんとかなると思っていたことがなんともならない経験も重要です。
あなたが開業したことによって救われる患者はいるでしょうし、あなたや家族が豊かな人生を送れる可能性ももちろんあります。
ただ 「おそらく期待しているものは(少なくともすぐには)手に入らないよ」
「やりたくないこと(これをやりたくないがために開業したのに)をいっぱいやるはめになるよ」
「あなたの開業で不幸になる人はあなただけじゃないかもよ」 という視点をお伝えしたかっただけです。
この視点は得てして欠けがちなものですから。
あと 「雇われながらでも色々できるんじゃない?」 という視点も大切かもしれません。
別に僕の言うことを信じようが無視しようがもちろんみなさんの自由ですが、いちお忠告はしたからね。
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ここからは僕(大槻)の意見です。
僕も開業賛成派です。
しかし、現実は甘くはありません。
毎月出て行くお金に加えて、保険料・年金・税金etc・・・
想定外の支払い等多々来ます。
月にこれくらいの売り上げがあればと捕らぬ狸の皮算用をしないように。
何じゃかんじゃとやりたい事をやって来れている僕ですが、それでも開業する前にもの凄くシミュレーションしましたが、計算外は多々ありました(土砂災害など)
それでも10年以上やって来れたのは、【志】を持っていたからです。
「夢」ではなく、どうか【志】を立て挑んで欲しいと思います。