ファシア②
膠原繊維の集合体であるコラーゲンは、水が85%を占めています。
水は電気を通すので、脳からの信号はこのコラーゲン線維を大量に通ります。
電気信号が大量に流れると言う事は、そこに神経終末(神経が反応を起こす部分)が集まってきます。
身体が歪むとこのコラーゲン線維は硬縮し、血液循環が低下し、張力を低下させます。
神経終末がたくさん集まっている部分の硬縮、血液循環低下、張力低下によって閾値(痛みを感じる感度)が下がります。
つまり、痛みを感じやすくなると言う事です。
草むしりなど前傾の腰を曲げた状態を長く続けた後に、立ち上がろうとすると腰が「痛ててて・・・」となりますが、あれは腰のコラーゲンが縮む事でその現象を起こします。
この時、腰の筋肉には背骨より前にある【大腰筋】が縮むと言う事になり、逆に背骨より後ろ側にある背筋群(広背筋や腰方形筋、脊柱起立筋など)は伸ばされている状態です。
この背筋群は伸張されていますが、伸張側では【伸張反射】と呼ばれる縮もうとする反射が起こっており、伸ばされている筈の背筋群には強烈な縮み力が働いているのです。
故に、痛みはお腹側(大腰筋)ではなく、腰(背筋群)に痛みを感じます。
このように、コラーゲン線維(膠原繊維)部分では大量の水を含み、神経終末も大量にありますが、長時間の同じ姿勢などで形が崩れると硬くなり、水の循環が悪くなり電気信号が過剰に働きやすくなり閾値が下がり痛みを感じます。
膠原繊維を緩める事で水の循環がスムーズとなり閾値が上がり、痛みは軽減します。
コラーゲンである為に、柔らかく元に戻りやすいですが、元に戻りやすいと言う事は、楽な姿勢(普段の癖)を取ると歪みやすくなると言えます。。
鶏肉を捌いた事がある方なら分かると思いますが、透明な薄い膜が皮と肉の間にありますが、あれが筋膜であり膠原繊維です。
その膜単体を指で引きちぎろうと思っても、そう簡単にはちぎれませんし、穴も開きません。
しかし、とても柔らかくしなやかでプルプルした組織です。
要は、強い刺激に対してとても強く、弱い刺激であればその柔らかさを感じさせてくれると言う組織だと言う事です。
マッサージなどの於いても本来、強い刺激に対しては強く反応を起こすと言う事になり、神経(脳)は刺激的な圧の方が効いている気がしますが、膠原繊維にとってはただ強く反応するだけなので緩む事はないと言う事になります。
弱ければ弱いほど軟化し、興奮も治まりますが、逆に神経(脳)は物足りなさを感じると言う矛盾を生じます。
ストレッチはそう言う意味で効果はありますが、今言った様に、我々は強い刺激の方が効いていると錯覚するので、ストレッチも気持ち良いを超え、痛いくらいを望み、結果、伸張反射を起こさせ、一時的には楽になった様に感じますが(脳に強刺激が入るので)逆に組織を硬くさせてしまいます。
痛みの無く、心地良い状態で90秒くらい伸ばせるならそれは効果的だと言う事になります。