師匠のブログより

 

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呼吸は大事である・・・③

②では植物の光合成と呼吸についてお話しいたしました。 今回は私たち人間の呼吸を考えてみましょう。

私たちは呼吸にて酸素を取り込んでいますね。 何のために呼吸をするの??? と尋ねられたら、酸素を血液によってそれぞれの細胞に届けて、その一つ一つの細胞が酸素を使うんだよ。
酸素がないと細胞が死んでしまうじゃないか・・・・と、お答えになられる方々が多いのではないでしょうか?

確かにそうです。 その通りです。 しかし・・・もっと先を考えてみましょう。 細胞は酸素を何の為に必要とするのか?  何に酸素を利用しているのでしょうか? これを考えると・・・私たちの寿命を左右する重大なことが示唆されます。

細胞の中には、ミトコンドリアという器官があります。 最近、特に注目を集めているミトコンドリアですが、大昔に生物の進化の過程で寄生した菌であると現在では考えられています。 もともとは別の生物であったために、このミトコンドリアも遺伝子を持っています。

脳や肝臓・腎臓・筋肉など、代謝が活発に行われる臓器の細胞では、ミトコンドリアの数が多く、一つの細胞の中で何百・・・何千ものミトコンドリアが存在しています。

またミトコンドリアは、細胞の中を動き回っているそうです。
驚くことに、私たちの体重の10%は、このミトコンドリアの重量だそうですから、それだけ大事な役割を担っている事が想像されます。

細胞の中に取り込まれた酸素は、このミトコンドリアの中に送られます。 そして、「炭素」と化学的反応を起こします。

この「炭素」の由来は・・・・炭水化物であるブドウ糖です。炭水化物は、米・小麦・イモなどの穀物に多い栄養素ですね。
すなわち・・・私たちが主食として炭水化物を必要とするのは、まさに細胞内の小胞器官であるミトコンドリアの呼吸に関する場所にて糖分が必要となるのです。

ここでも、植物が空気から呼吸にて炭素を取り込んでいるからこそ、まわりまわって人間の・・・いや動物のすべてが、呼吸において炭素を利用できるわけです。

呼吸のメカニズムを詳しくお話ししていると、とてもややこしくなりますので、ここでは簡単にはしおってお話を進めさせていただきます。

肺から取り入れた酸素は、血液により各細胞に運ばれる。 細胞の中に取り込まれた酸素は、さらにミトコンドリアの中に取り込まれて炭素と反応して、最終的にはATP(アデノシン三リン酸)という細胞が働くためのエネルギーを合成する。

皆さんは、食べ物が身体をつくっているとお考えだと思うのですが、実は・・・細胞内での、この呼吸活動によりATPというエネルギーがつくられないと・・・タンパク質や脂肪は・・・あまり意味をなさないんです。

なぜならば・・・・細胞が活動しないからです。 ちょうど・・・どんなに高性能のパソコンでも、電源が落ちていたら何の役にも立ちませんね。  電源・・・つまりパソコンを稼働させるエネルギーです。

いくら重要なソフトがあったとしても、電源が入らないと、そのソフトは使えませんね。 同様に、私たちの体の中で・・・細胞の中で…・酸素を利用した呼吸が行われないと、ATP合成が出来ず、電源の落ちたパソコンと同様となってしまうのです。

タンパク質や脂質やカルシウムなどの栄養素は・・・・細胞内のミトコンドリアの呼吸によってATPをつくりださないと・・・何も活用できないのです。

したがって、最も重要な栄養素は・・・まず炭素を含む糖質である炭水化物が大事なんです。

最近・・・糖質制限が話題ですが、取り過ぎは良くないですが、適量の炭水化物である糖質は絶対必要条件なんです。
問題は、糖質摂取のし過ぎであり、糖質が不必要というわけではなく、たんぱく質や脂質以上に、細胞の電源を入れるために大事なのです。

細胞に電源が入っている状態だからこそ、タンパク質などが有効に活用されるのです。 身体はタンパク質でできているからタンパク質は大事であるという認識は栄養学ではいいますね。

しかし・・・間違いではないのですが、「細胞内部の呼吸によるATP合成」が、適切に行われているという事が大前提となります。

例えば…筋肉などでATPが合成されなくなると、筋肉は硬直して役に立ちません。 運動能力が低下するのも、筋肉細胞内部でATP合成が間に合わないから筋力低下が起こります。

死体は・・・硬直していますね。 これも呼吸が止まることによる酸素不足で、ATP合成がストップするからなんです。

最後にまとめますと・・・私たちは何故呼吸をしているのか?
という事ですが、その目的は、細胞内部で細胞活動の電源となるATPのエネルギーを合成するためなんです。 これにつきます。

細胞の代謝活動が活発になるという事は、呼吸によってつくられたATPのエネルギーが多いという事につながります。

ですから、呼吸の在り方と細胞の代謝とATPは、非常に連動しているわけです。

安静時の呼吸を見ると・・・体質として代謝活動が活発か・・・そうでないか・・・・がわかるわけです。

なにも細胞代謝が活発な方がいいのか???
というわけではございません。  誤解なさらないようにお願いしたいと思います。

ガンを含めて・・・大体生活習慣病になる方の多くは、または加齢による変性疾患の多くは、ATP合成と細胞代謝活動の亢進が関わっており、それだけ多くの酸素を必要すするために、息が・・・呼吸が荒くなるのです。