見える見える

「見える」と言うシステムは、誠に面白い。
視覚とは「光が目に入る事」ではなく、光エネルギーが神経信号へ変換され、脳内で再構築されるプロセスです。

眼球は“カメラ”ではなく、“変換装置”に近い存在です。

外界の光は
角膜 → 前房 → 瞳孔 → 水晶体 → 硝子体
という経路を通ります。

硝子体手術|めじろ安田眼科

角膜と水晶体は屈折率が異なり、ここで光は屈折・収束されます。
この段階ではまだ「見えている」わけではなく、ただの物理現象です。

重要なのは、
・角膜:約70%の屈折を担う
・水晶体:ピント調節(調節反射)
という役割分担です。

硝子体から網膜へと光は投射され、この網膜には視細胞が存在します。
・桿体:明暗・動き・周辺視
・錐体:色・形・解像度(特に中心窩)

光が視細胞に当たると、光化学反応が起こり、
光刺激 → 電気信号
へと変換されます(光電変換)。

つまり、 脳に届く情報は「光」ではなく「電気信号」です。

この時点で
・上下左右は逆転
・色も形も未完成
という、いわば“未編集データ”です。

電気信号は
視神経 → 視交叉 → 視索 → 外側膝状体 → 視放線 → 一次視覚野
へと伝達されます。

視神経の半交叉・視覚伝導路の仕組みをわかりやすく解説 [脳科学・脳の健康] All About

視交叉では、
・右視野 → 左脳
・左視野 → 右脳
という交差処理が行われます。

この仕組みにより、両眼の情報が統合され、距離感・立体感(両眼視)が成立します。

一次視覚野では
・線
・角度
・動き
など、極めて単純な要素だけが処理されます。

そこから
形状認識(側頭葉)
空間認識(頭頂葉)
感情・記憶との照合(辺縁系)
が重なり、はじめて

「これは人の顔だ」
「危険そうだ」
「懐かしい」

見ていると意識できなくても“覚えている”脳―視覚野の障害でも無意識に脳の別の部位(中脳・上丘)が記憶の機能を代償―

という意味づけされた視覚になります。

つまり、 見ているのは「目」ではなく「脳」であり、且つ、「過去の経験込み」で見ている

と言う事です。

 

視覚は
・頸部(特に上位頸椎)
・自律神経
・呼吸
・硬膜系
と深く連動しています。

目の疲れ=眼球の問題、ではなく
視覚処理に関わる神経・血流・緊張の問題であることが非常に多いと言われます。

だからこそ
・後頭部
・側頭部
・頸部前後
・蝶形骨
へのアプローチが、視覚の“楽さ”に直結するのでしょう。

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