痛みの根本原因は

半年ぶりに来院された患者さん。

「ぎっくり背中になった」と言うものの、触診すると脊柱の歪みはあるが、ぎっくり背中と呼ぶほどの歪みではない。

痛みを訴える部位を押しても、そこまで強い痛みは感じていないようだ。

 

しかし、首を後ろに倒す(伸展)・左に回す(左回旋)と痛みが出る。

さらに、腕を横に上げる(外転)動作でも同じ部位に痛みを誘発する。

 

この時点で、脊柱のどこかにフィクセーション(動きの制限)があること、そして筋肉にも何らかの問題が生じていると判断。

「もしかして歩き方に問題があるんじゃない?足のどこかに痛みはない?」と尋ねると、「歩くとき、左右の足音が違う気がする」と言う。

 

この左右のバランスの違いが股関節に異なる刺激を加え、それが身体を固め、動きを狂わせ、脊柱にねじれを引き起こしたのだろう。

痛みの根本原因は「足」にあり

多くの症状は「足」から生じると考える。

 

どんなに立派な建物を建てても、基礎が崩れていれば、やがてその建物は傾く。

人間の身体も同じ。基礎となるのは「足」。

土台が崩れれば、その上に乗る骨格や筋肉のバランスが乱れ、腰痛・肩・首の痛み、さらには内臓の不調まで引き起こすことがある。

「腰が痛い」「首がつらい」といった症状があると、多くの人はその部分だけに目を向けるが、実は意外なことに“足の崩れ”が原因となっているケースは非常に多い。

 

腰や首の痛みを訴える患者さんに対して、足のバランスを整えるだけで症状が劇的に改善することも珍しくない。

身体の痛みを根本から改善するためには、「足元の状態」をしっかり見直すことが重要。

もしかすると、病気の原因もそこにあるのかもしれない。

痛みのある部分だけでなく、身体全体のバランスを整えることが、健康への近道なのだ。

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