感情と血流の連動
感情は脳で感じるものと思われがちですが、感情とは“自律神経+ホルモン+筋緊張”の生理反応の総和です。
つまり「感情は血液の流れ方を変える力を持つ」ということです。
感情 | 自律神経の変化 | 血管の反応 | 体感 |
---|---|---|---|
怒り・闘争心 | 交感神経↑ | 四肢の血管拡張・内臓の血管収縮 | 手が熱くなる/胃がキリキリ |
悲しみ | 副交感神経↑ | 末端の血管収縮 | 手足が冷える/胸が締め付けられる |
恐怖 | 交感神経急上昇 | 一時的な血管収縮 | 血の気が引く/顔面蒼白 |
安心・幸福 | 副交感神経優位 | 血管拡張・全身の血流アップ | 全身ぽかぽか/眠気/呼吸が深くなる |
具体的な例として
●言えない強い思い → 肩こり・後頭部痛
強い思いのエネルギーが交感神経を過剰に刺激 → 首・肩周囲の血管収縮 → 筋硬直、後頭部のうっ血、脳への血流低下。
●悲しみ・喪失感 → 呼吸器・胸の血流低下
胸郭周辺の筋群が硬直 → 横隔膜の可動低下 → 肺・心臓周囲の血行が落ちる。→ 結果的に「胸が重い」「呼吸が浅い」という感覚に。
●怒り・恐怖 → 腹部の血流低下 → 内臓冷え
交感神経亢進で内臓の血流が減る→ 胃腸が冷え、機能低下、肌荒れ・疲労感へ。
みぞおちが冷たい人=感情を溜め込んでいる
などもあったりします。
感情が動く、それは 脳で察知されます。
受けた感情により、脳の視床下部からホルモン放出のを指示が出て、下垂体からホルモンが分泌され、更に血液に乗ってそれらが各内分泌器官に情報として伝わります。
そのホルモンの情報によって血管・内臓・筋肉などが変化します。
感情 | 主なホルモン | 血流・体感への影響 |
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怒り・恐怖 | アドレナリン/ノルアドレナリン | 血圧上昇・末梢血管収縮・心拍増加 → 「手が冷たくなり、顔が火照る」 |
不安・ストレス | コルチゾール | 胃腸機能の低下・筋緊張増加 → 「お腹が痛い・体が重い」 |
安心・信頼 | オキシトシン | 血管拡張・副交感神経優位化 → 「全身がポカポカ・涙が出る」 |
喜び・やる気 | ドーパミン | 血流アップ・集中力増加 → 「手先まであたたかくなる・動きたくなる」 |
深い安心・幸福 | セロトニン | 腸・脳の血流改善・自律神経安定 → 「呼吸が深くなる・全身が緩む」 |
例えば、イライラすると、視床下部が「危機!」と判断し、交感神経系ホルモン(アドレナリン)が副腎髄質から放出されます。
アドレナリンにより末梢血管は絞られ(血圧を維持して緊急対応)、 結果、肩・背中が硬くなる・手が冷えるなどが起こります。
また、不安を感じると、今度は同じ副腎皮質からコルチゾールと呼ばれるホルモンを分泌します。
ストレスに対抗しようとエネルギーを作り出そうとする為に、胃腸粘膜の血流が減り、免疫力が落ちます。
結果、お腹が冷える・顔色が悪くなる、慢性疲労に繋がります。
一方で、誰かに触れられ、安心すると、幸福ホルモン(オキシトシン)を分泌します。
オキシトシンは、心が落ち着き、相手を信頼するので、血管は広がり全身の血流が促進されます。
結果、安心から涙が出てきたり、温かくなったり、眠くなって来ます。
整体とは、筋肉や関節だけでなく、感情→神経→ホルモン→血流という見えない連鎖を整える“総合調律”なのです。
🔚 まとめ
要素 | 役割 |
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感情 | きっかけ(脳のスイッチ) |
自律神経 | 血管のアクセルとブレーキ |
ホルモン | 体全体に命令を伝えるメッセンジャー |
血流 | 結果として現れる“感情のカタチ” |