心臓から出る”光”
「先生……目の前がなんだか“光”が見えます!」
その方は、施術中、そんなことを呟いた。
僕もそうだが、頸を触ったり、頭・目を触ると明るい光を感じる事がある。
人によっては紫の光。
それは目で捉えた光と言うより、目の奥、そう「第三の目」で捉えた光。
身を委ね、究極にリラックスしていると、まどろみの中からフッと明るくなる事がある。
これは第三の目とされる脳の奥に存在する「松果体」の作用。
松果体は、メラトニンを分泌する体内時計の役割をしている。
しかし、その松果体は脳の奥にあり、視神経とは関係ない部位にある。
なら、その松果体はどこから来る光を感じているのか??
それは心臓の放つ「命の火」を松果体が感知していると言う。
心臓には独自の神経系があり、血液を送り出す単なるポンプの役割だけでなく、“自分で考え、感じる”力を持つ臓器だとされる。
物思いに耽ると、胸が苦しくなる経験をされた人は多いだろう。
また、ワクワクがピークに達すると、胸の高鳴りを感じる人もいるだろう。
心臓は、その強力な電磁波(心拍により発生)が出る為、「場」や「雰囲気」、「気分」「テンション」などでこの“光”を発生させる。
心拍が整い、呼吸が深まり、感情が穏やかになった時、心と脳が“同じリズムで共鳴”する状態となると、
「胸のあたりが、じんわり温かい」
「光のようなものが、内側で灯っている感じ」
「自分の“真ん中”に火種があるような……」
そう体感的に、「命の光」を感じる。
この光を感知した脳(松果体)は、明るさを感じる。
夜、寝床でいつまでも寝れないのは、電気を消してないとか、スマホを見続けた結果とかではなく、心拍が乱れる様な事をしたから。
ずっと心の光が邪魔をして、メラトニン分泌を妨げ、寝れなくなる。
一方で、安心し、心地良く、穏やかになれば心拍が落ち着き、光が薄暗くなり、それと共に松果体からメラトニンが分泌され眠りにつく。
心臓から出る光は、時に希望であり、やる気にさせ、ワクワクさせ、高揚させる。
しかし、ポジティブ以外でもネガティブ思考でも同様に心に灯がともる。
それにより、松果体は「まだ明るい」と判断して眠気を起こさせないのだろう。
心に火がつくのは人それぞれ、様々違う。
心臓が高揚する、ワクワクする、乱れて動く、不安感やネガティブ思考でも火がともる。
視覚的な光だけでなく、心の火を落ち着かせる事も大事な事。
寝落ちたいならば、心臓を落ち着かせる。
瞑想・マインドフルネスが心を落ち着かせる良いツールとされるのも、そう言う事だと思う。
夜寝れない人はスマホを見るとか、朝の光を浴びてないとかそう言った問題よりも、心にずっと火をともし続けているせいだとすると、心穏やかにってのがキーワードなんだと思う。
整体中、ずっと目を開けたままにしている人や、寝る事をしない人。
折角なら、心を休ませる意味で、目を閉じ、身体に耳を傾け、気持ちを落ち着かせてみると良いと思いますよ。