五月病

 

変化に対する不安と、心の「慣れ」が育てる成長

人は本能的に、安心・安全・予測可能な状態を好みます。

だからこそ、自宅の自分の部屋のような「慣れた環境」では心が落ち着きます。

一方で、新しいクラスや職場など、未知の環境に飛び込むとき——
「どんな人がいるのだろう?」「何をさせられるんだろう?」といった不安が自然と湧いてきます。
その結果、「行きたくない」「辞めたい」と感じるのも、決して弱さではなく、ごく自然な心の反応です。

では、どうすればその不安と上手に向き合えるのでしょうか?

鍵は、「慣れる」ことです。

同じ刺激を何度か繰り返し体験することで、脳はその状況を「安全」と認識し始めます。
最初はぎこちなかった新しい環境も、少しずつ心が馴染んでくるのです。

新年度が始まり少し慣れ始めた頃に訪れるゴールデンウィーク
再び「安心できる環境(自宅の自分の部屋)」で数日間を過ごすと、心はまたそこに戻ろうとします。
そして連休明け、再び外の世界に向き合うとき、再び不安がぶり返す・・・

これが、いわゆる「五月病」と呼ばれる状態につながります。

ここでも焦る必要はありません。
「ちょっとずつ、慣らしていく」

という姿勢こそが、変化に対する自分なりの「抗体」をつくっていくプロセスです。

成長とは、大きな飛躍ではなく、こうした「小さな慣れ」を積み重ねていくこと。
そしてその積み重ねが、未来の変化に強く柔軟な心を育ててくれます。

 

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