「感覚神経節」と「自律神経節」

僕らの身体の中には、「神経の中継所」があります。

それを「神経」と呼びます。
この神経には大きく2つのタイプがあります。

ひとつが、「感覚神経節」。
もうひとつは「自律神経節」です。


■ 感覚神経節 ― 感じ取るための入り口

感覚神経節は、外の世界からの“情報の玄関口”です。
皮膚で感じた「痛い」「熱い」「触れた」などの刺激がここを通って、脊髄や脳に届けられます。

この神経節は「通過点」のようなもので、信号は一方通行
末端(皮膚や筋肉)から脳へと向かっていきます。
たとえば、火傷をした時に「熱い!」と感じる、その情報が通る道にあるのがこの感覚神経節です。


■ 自律神経節 ― 命令を伝える中継所

一方の自律神経節は、脳や脊髄からの「命令」を末梢に伝える“中継ステーション”です。
たとえば、心臓を速くしたり、胃腸を動かしたり、汗を出したり――
僕らが意識していなくても働く“自動運転の神経”がここを通ります。

この神経節は、節前線維と節後線維の2本立て。
中枢から来た信号を、ここで次の神経にバトンタッチして、末梢の臓器へ届けます。


■ 簡単に言えば…

感覚神経節は「感じるための入り口」。
自律神経節は「働かせるための中継所」。

情報の流れが逆なんです。
感覚神経節は「末梢 → 脳」へ。
自律神経節は「脳 → 末梢」へ。


■ 身体の中でのイメージ

感覚神経節は“センサー”。
自律神経節は“スイッチボード”。

感覚がセンサーで感じ取った情報を脳に送り、
自律神経がスイッチを押して、身体の各器官が動き出す。

まるで、司令室(脳)と現場(臓器)をつなぐ、双方向の通信システムのようです。


■ ちょっと臨床的な話

帯状疱疹は、「感覚神経節」に潜んだウイルスが暴れる病気。
一方で、ストレスで動悸や胃の不調が起こるのは、「自律神経節」のバランスが乱れた結果です。

どちらも、「神経節」で何かが起きているわけです。


感覚神経節は“感じる神経の玄関”。
自律神経節は“働きをつなぐ中継所”。

この2つを理解すると、身体の神経ネットワークがとても立体的に見えてきます。
身体の内側の「通信網」がいかに繊細で、賢く動いているか――
それを知るだけでも、自分の身体をもっと大切に感じられますね。

 

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