フェリチン
「フェリチン」
鉄を体の中に蓄えておくためのタンパク質です。
イメージとしては、鉄という「サビやすい金属」を、壺の中にしまっておくようなもの。
鉄が外に出っぱなしだと、活性酸素を作って体にダメージを与えてしまうため、フェリチンがしっかりと包み込んで守ってくれています。
🔸 フェリチンの4つの大切な働き
- 鉄を安全にストックする
必要なときに血液や細胞に鉄を供給し、不足すれば補う調整役。 - 酸化ストレスから守る
余った鉄が活性酸素を生むのを防ぎ、細胞のサビつきを防ぎます。 - 炎症時に反応するセンサー
体の中で炎症やストレスがあると、フェリチンは急上昇します。
つまり、「何か体に負担がかかっているよ」という指標となります。 - 病原体から鉄を隠す
細菌やウイルスも鉄をエサにします。フェリチンはそれを隠して、体を守る知恵でもあるんです。
🔸 フェリチンが「低い」とどうなる?
- 慢性的な疲労や眠気
- 抜け毛・肌荒れ
- 生理が重い・月経前の不調
- 抑うつ・イライラ
特に女性は生理による鉄損失が大きく、フェリチンが20ng/mL未満だと「隠れ鉄欠乏」のサインです。
🔸 フェリチンが「高い」場合の注意点
- 慢性炎症(関節炎、自己免疫疾患など)
- 代謝トラブル(脂肪肝、糖尿病)
- 慢性的なストレスや交感神経の過緊張
実は、ストレスで交感神経が高ぶると「隠れ炎症」が起きてフェリチンも上がる。
つまり、「高すぎるフェリチン」は、体が休めていないサインとも言えるのです。
🧘♀️ 自律神経とのつながり
フェリチンは、交感神経優位の生活=頑張りすぎの身体に敏感に反応します。
ストレスホルモン(コルチゾール)→ IL-6という炎症性物質が出て→ フェリチンが増える、という流れ。
フェリチンは、あなたの「内なる緊張」を映す鏡でもあるんですね。
フェリチンは、単なる鉄の指標ではなく、身体の内側からのメッセージ。
血液検査の際には、自分のフェリチン数値もチェックしてみてください。